なぜかカードやローン審査に通らない!対処方法を解説 同姓同名、生年月日が同じ人の可能性も

クレジットカードやキャッシング、ローンの審査に申し込んだとき、なぜかいつも落ちてしまう方がおられます。

これまでに延滞したこともなく債務整理したこともなく収入もそれなりにある場合でも、あらゆる審査に落ちてしまうなら要注意。

同姓同名の人と間違えられている可能性があります。

今回は信用情報管理においてなぜ同姓同名の人と間違えられてしまうのか、審査に通らないときにどうすればよいのか、解説します。

クレジットカードやローンの審査に落ちて納得できない方がおられましたらぜひ参考にしてみてください。

1.信用情報とクレジット・ローンの関係

クレジットカードやローンの審査に毎回落ちてしまう方の多くは、

過去に、借金を長期延滞したり、債務整理をしたこと(事故情報)が信用情報に載っていることが原因です。

この状況を一般的にブラックリストと呼びます。

    2.ブラックリストでないのに審査に通らないのは不自然

    一方、ブラックリスト状態でない方は、年収や勤続年数などの条件を満たせばローンやカードを利用できるのが通常です。

    1社や2社で落とされるだけならまだしも、何社申し込んでも一切クレジットカードを利用できないなら何かしらの「間違い」が起こっている可能性があります。

    またいったん債務整理などによって事故情報が登録されても、5~10年程度で消去してもらえるのが原則的な取り扱いです。

    過去の事故から長い年月が経過しているにもかかわらずずっとカードやローンを使えないなら、やはり何らかの問題が発生している可能性を懸念すべきといえるでしょう。

    3.クレジットカードやローンの審査に落ちる理由

    以下ではクレジットカードやローンの審査に落ちる理由をあげていきます。当てはまっているものがないか、確認してみてください。

    3-1.信用情報に事故情報が登録されている

    先にも述べたとおり、信用情報に事故情報が登録されているとカードやローンの審査に通りません。

    ただ、ときには本人の身に覚えがなくても「間違い」で事故情報が登録されたり他人の信用情報を間違って参照されたりするケースもあるので要注意です。

    3-2.要件を満たさないと判定されている

    カードやローンの審査に通らない原因は、信用情報における事故情報だけではありません。

    金融会社は、それぞれにおいて「審査基準」を設定しています。

    たとえば以下のような項目をチェックするケースが多数です。

    • 年収
    • 勤続年数
    • 勤務先、雇用形態
    • 他社借入状況
    • 居住形態
    • これまでのクレジット・ローン利用状況、申込状況など

    事故情報が登録されていないとしても「無職無収入」の方が住宅ローンを申請すると、まず審査に通りません。

    収入が不足する場合や勤務先・雇用形態に不安があると判断された場合などにも「審査落ち」する可能性があります。

    3-3.社内ブラックに登録されている

    信用情報に事故情報は登録されていなくても、金融会社独自の「社内ブラック情報」に登録されると審査には通りません社内ブラック情報とは、カード会社や金融機関が独自に作っている「迷惑顧客の情報リスト」です。

    これまでに長期延滞された人、債務整理された人、過払い金請求をされた人、時効援用されて貸倒れとなった人など、大きな迷惑をかけられた人をリスト化し、そういった人に貸付を行わないように対処しています。

    社内ブラックに登録されているとカードやローンの申請をしても審査に落とされるので、過去に迷惑をかけた金融会社は利用しない方がよいでしょう。

    3-4.「借金の総量規制」を超過している

    これまで一度も延滞したことがない方でも、「借金の総量規制」を超過していると審査に通らない可能性があります。

    借金の総量規制とは「年収の3分の1以上の貸付を行ってはいけない」というルールです。

    過去にたくさんの多重債務者を生み出してしまったことを反省し、貸金業法の改正とともに制度化されました。

    現在の貸金業者には借金の総量規制が課されるので、すでに年収の3分の1程度の借り入れのある方は、あらたにキャッシングやローンを申し込んでも落とされる可能性が濃厚です。

    ただしクレジットカードのショッピングや銀行ローンは借金の総量規制の対象外。

    銀行カードローンやキャッシング枠のないクレジットカードであれば、すでに借り入れがあっても利用できる可能性があります。

    4.同姓同名の人がブラックだと審査に通らない?

    上記のどの事情にもあてはまらないのになぜか審査に落ち続けてしまう方は、「同姓同名の人」と間違えられている可能性があるので注意しましょう。

    貸金業者や金融機関は、ローンやカードの申し込みを受けると加盟している信用情報機関へ情報照会して信用情報の内容を確認します。このとき、基本的には氏名と生年月日を使って本人を特定します。

    偶然にも同姓同名で生年月日も同じ人がいたら、そちらの人の信用情報が上がってきてしまう可能性があるのです。

    同姓同名の人物が長期延滞したり債務整理したりしたことがあり、事故情報が登録されていたらどうなるでしょうか?

    人間違いであっても気づかれず、延々とローンやクレジットカードの審査に落ち続けてしまうでしょう。過去、実際に「同姓同名の人物と間違えられて住宅ローン審査にまったく通らなかった」方に関する情報もあり、ときどきこういった「人間違い」が起こってしまうようです。

    https://realestate.yahoo.co.jp/knowledge/chiebukuro/detail/11150936146/

    5.信用情報機関が本人特定する方法

    同姓同名で生年月日が同じ人がいても、間違いを正すことは可能です。

    信用情報機関がどうやって本人を特定するのか、その手順や方法を知っておきましょう。

    4-1.まずは氏名と生年月日を入力

    各信用情報機関では、まずは氏名と生年月日を入力して本人を特定しています。

    そこで、同姓同名で同じ生年月日の人がいたら、間違えられる可能性が高くなるのです。

    4-2.住所や電話番号を追加で入力

    同姓同名で生年月日が同じ人との間違いをなくし正確に本人特定を行うため、各信用情報機関では追加情報の入力によって精度をあげています。住所や電話番号まで入力すれば、大抵のケースで人間違いは防げます。

    また結婚や離婚で姓が変わった人などに対応するため、運転免許証の番号を参照するケースもあります。

    このように住所や電話番号で検索をかけてもらえれば、同姓同名で生年月日が同じ人の信用情報に事故情報が登録されていても「人間違い」を証明できるでしょう。

    きちんと証明できれば、ローンやカードを利用できるので、あきらめる必要はありません。

    5.なぜか審査に落ちてしまう場合の対処方法

    ローンやカードの審査に落とされて納得できないとしても、カード会社やローン会社、銀行などが審査に落とした理由を教えてくれるわけではありません。

    審査落ちした理由は自分で明らかにするか推測しなければならないのです。

    以下では、なぜかカードやローンの審査に落ちてしまう場合の対処方法を解説します。

    5-1.信用情報の開示請求をする

    まずは自分の信用情報について、信用情報機関へ開示請求しましょう。

    JICCでもCICでもKSCでも、本人からの信用情報開示請求に対応しています。ただし申請方法は各信用情報機関によって異なります。

    どの信用情報機関でも郵送での申請が可能です。

    JICCやCICでは窓口での申請に対応していますが、新型コロナウイルス感染症の影響で一時停止されています。

    JICCではアプリでの申請、CICではウェブ上での閲覧申請も可能です。

    KSCでは郵送のみの対応となっています。

    3つの信用情報機関へ開示請求する

    信用情報の開示請求をするときには、3つすべての信用情報機関へ申請しましょう

    3つの信用情報機関はCRINやFINEといったシステムで情報を共有しており、1つの信用情報機関に事故情報が登録されていたら結局は審査に落とされる可能性があるからです。

    申請すると10日程度で信用情報が記載された書類が自宅へ送られてくるので、内容を確認しましょう。CICのウェブ開示ならその場ですぐに閲覧できます。

    5-2.住所などの本人特定資料を提示する

    開示された信用情報に事故情報が登録されていなければ、ローンやカードの審査には支障が生じないはずです。それにもかかわらず審査に落ちるなら、他人と間違われている可能性が高いでしょう。

    申込先のカード会社や金融機関に「人違いが起こっている可能性がある」として、住所を特定する資料などを追加提示してみてください。

    またいったん人違いが発覚した場合、次に別会社で行われる審査でも同じ間違いが起こる可能性が高いでしょう。その後にローンやカードを申し込む際には金融会社に事情を話し、住民票や戸籍の附票などを示して住所でも本人確認をするよう申し伝えると安心です。

    5-3.信用情報の訂正を請求する

    信用情報の開示を受けたとき、間違った情報が登録されているケースも存在します。

    延滞や債務整理などの事故を起こしていなくても「事故情報」が登録されていると、自分の身に覚えがなくてもローンやカードの審査に通りません。

    この場合、人間違いではないので住所資料などを提示しても無意味であり、信用情報自体の訂正を行う必要があります。

    6.信用情報を訂正できるケースとは

    以下のような場合、信用情報を訂正できる可能性が高くなります。

    6-1.時効援用した

    過去にローンやクレジットカードなどを利用したけれど長期に渡って返済しなかった場合「時効援用」できる可能性があります。

    時効援用すると、借金の支払い義務はなくなります。事故情報が登録される理由はありません。

    有効に時効援用したにもかかわらず、事故情報が登録されてしまった場合には消去できる可能性があります。

    6-2.過払い金請求した

    過払い金請求とは、過去に利息制限法を超過する高利率で借り入れをした方が払いすぎた利息を取り戻すための手続きです。

    過払い金を取り戻したからといって、事故情報は登録されません。

    しかしまれに間違って事故情報が登録されてしまうケースがあり、そういった場合には情報を消去できる可能性が高くなります。

    6-3.借り入れ時期が古い

    消費者金融やカード会社からの借り入れ時期(契約時期)が古い場合にも、登録された事故情報を消せる可能性があります。

    特に平成16年(2004年)以前から借り入れをしていた方は要注意。アイフルの場合もっと借り入れ時期が新しくても事故情報を消せる可能性があります。

    思い当たる方は、早めに弁護士に相談してみてください。

    6-4.長期間が経過した

    事故情報が一旦登録されても5年~10年程度が経過すると信用情報から事故情報が消えるのが通常です。

    長期間が経過したにもかかわらず事故情報が残り続けている場合、何らかの間違いが起こっている可能性があるので、一度、詳しい状況を確認してみた方がよいでしょう。

    7.信用情報の訂正は弁護士へご相談を

    同姓同名で生年月日も同じ人がいる影響でローンやカードの審査に通らない場合、放っておくといつまで経っても間違いが解消ません。延々とブラックリスト状態が続いてしまうでしょう。

    それでは日常生活で不便を感じますし、家族などからも要らぬ疑いをもたれる可能性があります。

    間違いを明らかにして正常な状況に戻すには、貸金業者へ訂正請求などをしなければなりません。

    当事務所では、弁護士が信用情報の確認や訂正のサポートを行っています。お一人でローンやカードの審査に通らない原因を突き止め訂正を申し入れるのは簡単ではありません。

    信用情報に間違いがあるのではないか?と疑問を持たれている方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

    当弁護士事務所へのご相談はこちらから承っております。